「陽介・・・」
俺は思わず片手で顔を覆う。
おまえ、それは秘密だって言っただろ。
いいやつなんだが、飲むと口がやや軽くなるのがこいつの悪い癖だ。


「ハナが高校に入学するにあたってだな、悪い虫がつかないように見張ってくれるんだと」
「陽介・・・」

そこまでバラすか。

「あら~。まぁ。そうなの?」
おばさんのテンションが急上昇。

「天久くんのお嫁さんになりたいって小学生の時からハナの口癖だったもんな」

おじさんはしみじみしちゃってるし・・・。
そして話が飛びまくっている。


「よかったな、ハナ。天久はお前のために、慌てて理事長になってくれたんだぞ」
「おい。陽介・・・」


ハナちゃんをおそるおそる見ると、真っ赤な顔で、俺を睨んでこう叫んだ。



「天久さんのばか!!!」