いじわるなサンタさん




それから、一言も話さなくなった和真。

不思議に思って、振り返ると、顔を赤くさせた和真の姿があった。


な、何なの…。

何が起こってるの?



いまいち状況を把握できないあたしは

「何でそんなに顔が赤いの?もしかして、寒い?」

少し心配気味に、和真に話しかけた。


あたしは寒くなると、頬がほんのり赤くなるし。

和真も同じ体質かと思って。

しかも今の和真の場合、めちゃくちゃ赤いから、凄く寒いんだと思う。


あたし、待たせすぎちゃったかな。

だとしたら、悪いよね…。



「あの…待たせすぎちゃったんなら、ごめん。とりあえず、中、入ろうよ」


腕を引っ張っても、何の反応もない。



「和真…?」


あたしは、俯いた和真の表情を見るために、覗き込んだ。