いじわるなサンタさん



あたしは嬉しさを隠せなくて、子供のようにはしゃいでいた。



「そんなに好きだった?」

「うんっ!こういうの、夢だったんだ~」

「どんな?」

「クリスマスを……好きな人と、一緒に過ごすのが」



恥ずかしくて『好きな人』のところが、小さくなってしまった。


周りは騒がしいはずなのに、なぜか和真の耳に届いたようで。

隣で笑い声が聞こえた。



それからあたし達は、しばらくツリーを眺めていた。


いろいろな形のイルミネーションが、色鮮やかに輝いていた。


こうやってクリスマスを、好きな人と過ごすって。


こんなに素敵なことなんだね。

こんなに心に染みることなんだね。


和真…。和真っ。



「大好きだよ……」


あっ!


思わず思っていたことが、口から出てしまった。


恐る恐る、隣を見上げてみる。