「え、どこに?」
きょとんとして、和真を見上げた。
だって、今日はここに来ることだけ決まっていて。
これから何処へ行くのか、予想もつかなかった。
「秘密」
そう言うと、頭に『?』が乗ってるあたしを見ながら、人差し指を口に持っていく。
やっぱり意味が分からず、小首を傾げた。
和真は、あたしをよそに、どんどん進んでいく。
あたしは人の波に巻き込まれないように、和真の手を握って着いて行った。
「ここ」
目的地は、以外にもすぐ着いた。
一足遅れてたあたしが、少し息切れしながら頭を上げると…。
「わあっっ!!」
目の前には、大きな大きなクリスマスツリーがあった。
七色に輝くイルミネーションに、あたしは釘付けになった。
「こういうの、好き?」
和真が、遠慮がちに聞いてきた。
「うん!大好きっ!」
和真の気遣いや思いやりが、凄く伝わってきた。


