あたしたちは電車に乗り、市内へと出た。
クリスマスなのもあって、カップルで賑わっている。
午前中は、あたしが見たかった映画を見て。
ウィンドーショッピングしたりしてハジけた。
その間、一度も離すことのなかった和真の手。
一回、和真の手から離れそうになった。
でも、グイッと引っ張られて『離れんな』って言われたんだ。
時々見せる、『かっこいい和真』。
その一言を言われてからというもの、あたしはギュッと握ってままでいた。
もちろん、和真も力を抜くことはなかった。
そうして手を繋いで歩いていたら、いつの間にか夕方になっていて。
楽しい時間は、あっという間に過ぎてしまった。
「よし」
『じゃあ、帰るか』
その言葉が、和真の口から出てくるんだろうな…。
そう思って、寂しく思っていると、
「行くか」
予想とは正反対の言葉を吐いた。


