それからカバンを持って、リビングで和真が来てくれるのを待っていた。
しばらく経って。
──ピンポーン…
軽快なチャイムが和真のおいでを告げた。
ヤバいっ。
何か急に緊張してきた。
あたしはおろついた足取りで、ブーツを履いて玄関を開けた。
昨日の朝みたいに、ポケットに手を突っ込んで、寒そうに立ってた。
細身のジーンズに、ジャケットを合わせてあった。
髪はいいくらいフワッとしてある。
和真がかっこよ過ぎて、隣を歩くのをためらうほどだ。
玄関で突っ立ったままのあたしを見た和真が
「ほら、いつまで立ってんだ」
あたしの手を引いた。
「いや…でも……」
「何だよ」
「隣を…歩いても、いいの?」
「ぶはっ!」
『本気で言ったのに…』と思いながらも、やっぱり恥ずかしくなった。