そんなやり取りを美菜とやっていると、体育館に着いた。

体育館の中は、教室よりも冷え切っていて、体が小刻みに震えた。



「寒ぃ~」

「本当に寒いねっ」

「ストーブくらい入れりゃいいのに」

「本当だよ~」


周りを見ると、みんな寒そうに身を縮こませていた。


キョロキョロしていると、和真を見つけた。

さっき尚が言ってたことを思い出し、あいつをじっと見ていた。


すると、あたしの視線に気づくように、和真があたしの方を見てきた。

和真は何も言わず、目を逸らした。


何なんだあいつ…。

訳がわからないまま、終業式が始まった。



それから、何回も和真を見ても、目が合うことはなかった。


『用事がある』って、何の用事なんだよ。

あたしに勝負でも、挑んでくる気か?


ホント、訳分かんない…。