あたし達が座った席は、運がよく一番前。
一番前に座っていても、いつ上昇が終わるのかわからない。
──カタ…
やがて、ジェットコースターが一時停止した。
「あ、終わった~!」
ここに来たら、あとははじけるのみっ。
いっぱい声だして、両手をあげて…。
ジェットコースターならではの事が、2年ぶりに出来るんだっ。
あたしは嬉しくて嬉しくて、早くこないかと胸を高鳴らせていた。
ふと右隣を見ると、子供のようなあたしを、優しい笑顔で見てくれている和真。
ドキンドキンと心地よいリズムがあたしの体を支配していった。
和やかな笑顔を見せる和真に見惚れていると…。
「わっ!」
ジェットコースターが突然落下した。
あたしはすぐに態勢を直して、両手を上げた。
「いえ~~~いっっ♪」
足をバタバタさせて、めちゃくちゃ楽しんでいると、和真があたしの右手を無理矢理下げた。