「何処行きてぇ?」
「……学校…」
朝早くから、駅の近くの喫茶店に居座るあたしと和真。
私服は、お母さんにバレないようにこっそり家から持ち出した。
あの時は、心臓がバクバク言って、寿命が縮みそうだった。
和真はなぜか、私服がカバンの中に入っていた。
学校に行くなら、いらないよね。
もしかしたら、遊びに行くこと前提であたしの家に来たのかもしれない。
そう思うと、ため息がこぼれた。
「あのさぁ」
熱々のココアを飲み終わったあたしを見ながら、眉間に皺を寄せる和真。
「この場に及んで学校はなくね?」
まぁ、ごもっともな意見なんですけど。
でも、朝から学校サボって遊びに行くのはちょっと…。
今更過ぎるんだけどね。