息をする暇もなく、だんだん苦しくなってきて、和真の制服をギュッと握った。
キスの雨が降り止むと、和真の胸に抱き寄せられた。
こんなとこ、家族に見られたら大変だよ…。
頭では思っているけど、口に出せない。
なんだかボーッとしていて、思考がうまく回らなかった。
一時抱きしめられていると、和真は携帯を取り出すと、時間を確認した。
「やべ。もう8時過ぎた」
「えぇっ!?遅刻じゃんっ!急ごうっ」
あたしは我に返って、急いで学校に向かおうとする。
「なぁ」
和真は一言言って、走り出そうとしたあたしの手を引いた。
握られた手から、和真の温もりが伝わってきた。
「どうせ遅刻だし、このままサボらねぇ?」
「……はっ?」
何を言い出すかと思えば…。
あたしは呆れる事しか出来なかった。
あたしの変顔に近い顔を見た和真は、その場で爆笑してた。
今日も、とんでもない一日になりそうです。