──12月23日。
今日は終業式の前日で、友達とわいわいする2学期は、明日で終わりだ。
恋が到来することもなく、中3の2学期も終わり。
マンガみたいな展開を期待していたけど、そんなことは起こるはずもなかった。
HRが終わると、学年集会が開かれる体育館へと向かった。
冷たい空気に、背中を丸めていると、
「なぁ、和真(カズマ)がさ、お前に用があるって」
クラスメイトの尚(ナオ)が話しかけてきた。
しかも和真は、いろいろと問題を起こす悪ガキで
あんまり関わりたくないヤツだった。
あたしと何の接点もないあいつが、あたしに何の用だろう?
「はぁ?何の?」
「知らねーよ。とりあえず、終業式が終わったら、中庭に来てくれって」
尚が『知らない』と答えることを悟っていながら、わざと聞いた。
予想通りの言葉を言い終えた後、あたしは疑問を抱きながら、とりあえず頷いた。