今回は誰が生き残るのかも賭けられる事になった。

 リアルタイムで変動する倍率を横目で見ながら、開始の時を待つ。

「戒は生き残るかな?」

「生き残るよ」

 男の問いかけに、真仁は当然のように発した。

 それは確信──彼が生き残らないのなら、彼以外は全て死ぬ。

 青年はそんな顔で画面を見つめた。

「そういや、面白いツールを頼まれたって?」

「うん、赤外線カメラをね」

 直貴はそれに、「さすが元特殊部隊」と口笛を鳴らした。

 赤外線カメラを使いこなす技術を持っている戒に感心する。