「彼は美しい。そう思わないかい?」

 青年の言葉に、男は肩をすくめて後ろを向いた。

「……」

 どこが美しいんだか。

 男はディスプレイを一瞥し、小さく溜息を漏らした。

 やせこけた頬に無精髭、常に何かを睨み付けている瞳のどす黒い血の色に感情は感じられない。

 見つめられると、意味もなく身震いしそうな瞳だった。