「あんたも、そろそろお開きにした方がいいんじゃないか」

「そうだね。ボクもそう考えていたよ」

 君がいなくなったら途端につまらなくなりそうだし……と真仁はニヤけた顔を見せた。

 戒はそれに応えるように、口の端をつり上げる。

「止めなくて良かったのかい?」

 去っていく後ろ姿を見送ったあと、翼に問いかけた。

 翼はしばらく無言で目を伏せ、意を決したように顔を上げて真仁に向き直る。

「真仁、僕も頼みがある」

「何かな?」

 その瞳の意味を知っているかのように、真仁は優しく聞き返した。