それから、カーテンを閉める。 ミラは、鞄を開け、服をクローゼットにかける。 「お姉さま、お父様、お母様…。」 家族で写った写真を眺めるミラ。 「これは鞄の中に入れておきましょう。」 誰にも、この写真を見られたくなった。 家族の、大切な思い出だから。 バーノン家とカイラしか知らない写真。 最初で最後の家族写真だから。 写真を鞄に戻し、立ち上がる。 ミラは、部屋の中にあるバスルームで身体を洗い、 春というのにも関わらず数枚の衣服を着た。