FLOWER PRINCESS



ミラは噴水の前を立ち去り、

城内へと戻った。

「いくら半年いるっていうだけだからって、挨拶無しじゃ無礼よね。」

そう思ったミラは城内にいるほとんどの人に挨拶をしにいった。

まずは厨房。

分厚い銀の扉を開けると忙しそうにディナーを作るコックがいた。

『ミラ様っ!?どうしてここに!!ここは狭く、暑苦しい場所ですよ?』

「いきなりお忙しいところにすみません。

本日からこのお城でお世話になるミラと申します。

まだ、何もわからなく、みなさんに迷惑をかけてしまうかもしれませんが

どうぞよろしくお願いします。」

一礼するミラに、

コックは手を休めて暖かい拍手を送る。