「いいえ。敬称をつけさせていただきますわ。」 「ですが……。」 「公爵命令です。あっ…今は王子の妻命令かしら?とにかく敬称で私は呼びます。」 「はい、わかりました。」 ようやく納得したか、コルベルは頷いた。 権力ってこういう風に使えるといいわね。 初めて権力に対して役に立ったと思ったミラだった。 「ミラ様、お部屋はこちらです。お荷物もお預かりいたします。」 ルナが持っていた荷物を軽々と持ち上げるコルベル。 そのまま案内された部屋は、 とても大きかった。