FLOWER PRINCESS



「カイラには、言わないわ。それでいいのよ。」

半年で戻るから。

そんなことでカイラを心配させたらよくない。

そう思ったミラはカイラには会いに行かなかった。

本当は誰よりも1番会いたかった。

朝、言ってくれたように相談をしたかった。

でも、しない。

固く決意し、

馬車の外の空を見上げる。

涙が、下に落ちないように、

雲ひとつない空を見上げた。