FLOWER PRINCESS



「ではミラ様、参りましょう?」

「そうね。でもルナ、お姉さまたちにはまだ言ってないの。だから先に馬車で待っていて?」

「わかりました。では、門の前で待っていますね?」

ルナは先に部屋を出た。

あとに続くミラは玄関で一旦別れ、お姉さまたちのいるであろうロビーに向かった。

「ミラ、どうしたの?」

ディナが聞いてくる。

「リサお姉さま、ディナお姉さま、いきなりですみませんが、

本日を持って私、ミラ・バーノンはミラ・フィリップスになります。

今までお世話になりました。」

きっとすぐに戻ってきます。

そう心に願いながら一礼をする。