「ルナ、お待たせ。」
あきらかに怒りがこもっている声。
「ミラ様?どうかなされたのですか?」
「そう!どうかなされたわっ!全く、あの王子は頭がいかれているわよ!」
「もしかして、何かされたのですか?」
「されたなにも、惚れてるだの言われたり、頬にキスされたりだの、アイツは死刑にしてやってもいいくらいだわ。」
ミラの発言に苦笑いを浮かべることのできないルナ。
「でも、もしそれが本当ならばとてもすごいことになりますね。」
「絶対にありえないわ。ありえないありえない。」
「ミラ様がそうおっしゃるならありえないことを願わないといけませんね?」
「そうね。それとルナ、馬車をカイラの自宅近くに。」
「はい。かしこまりました。」


