「もう!いい加減にしてよ!権力なんていらないわ!

そんなの関係ないわ!勿論、あなたが王子だって関係ないわ!

今すぐ国王に訂正してきて!人を使って遊ばないで!」

いつの間にか、ミラの頬には涙が流れていた。

腕で涙を拭い、部屋から走って出て行くミラ。

長い廊下の角を曲がると、

1番会いたくない人と会ってしまった。

「ミラさん?」

「レシェ様…。」

妃のレシェ様だった。

「ミラさん?どうかしたの?涙を流しているわ…。」

「い、いいえ。そんな…」

言う途中で、そっとレシェ様の手が頬を撫でる。