「黙ってついてきてください。」

手を引かれて連れてこられたのは大きな扉。

「ミラ様、これはイストレラに続く魔法の扉です。

どうか、この世界をあなたの力で救ってください。」

トンッと押されて扉の中に入るミラ。

みるみる内に景色が変わり、
大きな城の門の少しはずれに来ていた。

「ここが、イストレラ…。」

オリヴァンよりは小さいが、威圧感がミラを襲う。

「あの、お城にいれていただけないでしょうか?」

衛兵に問いかける。

「何か緊急のことがなければ入れることはできません。」

「あっ…。」

ミラはカインからの手紙を思い出し、ポシェットから出して衛兵に渡す。

手紙を読んだ衛兵は急にかしこまり、
「失礼しました。
どうそお入りください。」

と門を開けてミラを通した。