「ジ、ジゼル様一人では危険です!」
「大丈夫さ。
この国で武術の龍と言われているんだから。
コルベル、任せたぞ!」
コルベルの言葉を無視して走り出したジゼル。
ジゼルは急いで馬小屋に足を運ぶ。
「これから、少し長旅になるがよろしくな。」
白い透き通った毛並みの馬を軽く撫でて乗り込む。
馬が鳴き、土を蹴る。
「ミラ、頼むから無事でいてくれ…。」
フェルマンド家の狙いはおそらく自分だろう。
跡継ぎを消せばポートが世界を支配できると思っているはずだ。
自分が殺されるまでは、
ミラには手は出されないはず。
それでも、不安に感じてしまうジゼル。


