振り返ると知らない人だった。 『あら、ごめんなさいね。 フェルマンドさんに何か御用があると見えたので…。』 優しく微笑む女の人。 「いないというのは、どういう意味なのでしょうか。」 不安が過ぎるコルベル。 『引っ越したのよ。 場所はわからないけれど、 カイラさんとミラ様はあんなに仲がいいのに、 離れてしまうなんてかわいそうよね。』 「…親切に教えてくだりありがとうございました。 急用を思い出したのでこれで失礼します。」 コルベルは一礼して急いで馬車に乗り込んだ。