『実は、さっき衛兵が私たちを今日の夕方までに抜こうという話をしていたのを聞いたんです。』
『このままじゃせっかくミラ様のおかげで楽しかった日々も無くなってしまいます…。』
『『ミラ様、お願いします。
どうか私たちを助けてっ!!』』
バラの悲しそうな声が聞こえる。
「…助けるに決まっているでしょう?
そうと決まればコルベルさんを待たせるのは気が引けるけど、
あなたたちを移します。
鉢を持ってくるので少し待っててください。」
ミラは走って城内に戻った。
近くにいたメイドに鉢があるか尋ねる。
『鉢でしたら、花畑の近くにある小屋にあります。
しかし、ミラ様、どうして鉢を???』
「いいの。ありがとう。
なんでもないわ。」
ミラは理由を答えずに花畑にあると言われた小屋に向かった。


