FLOWER PRINCESS



「ミラ、しっかり捕まっててね?」

耳元に聞こえる優しい声。

思わずほんのりと頬が赤くなる。

「うん。」

私がそう返事すると馬が走り出した。

きっと、私は普段こういうのに慣れてないから変に感じるだけで、

ジゼルだからっていうのではないはずよ。

自分に何度も言い聞かせる。

「なぁ、ミラ…」

「な、何?」

「なんでもない。」

「何それ!気になります。」

なんで気になってんのかな。