『んもー。本当に素直じゃないよね、雄太って』


「オレは別に……」


『未来ちゃんがお前を好きな以上に、未来ちゃんのことだーい好きなの。雄太くんは』


「……は?」


『……え?マジで気付いてなかったわけ?』



壱の言っていることが何ひとつとして理解できない。

やっぱりオレには、吉田未来のおバカが移ったらしい。



『だーかーらっ、朝は、未来ちゃん待ってるのわかってるから毎日、狂うことなく同じ時間に登校するだろ?』

「……それは……」


『移動教室ん時はわざわざ、未来ちゃんのクラスの前を通るような道順を選んでるし』

「……だって……」


『放課後だって、予備校に直で行きゃいーのに、わざわざ図書室に寄ってんじゃん。』

「…………」