「あいつ、誰?」

わけのわからない感情が、言葉となって突き刺してしまう。

ついつい、きつい口調で尋ねた。



『あいつ?ゆうきくんのこと?同じクラスで、野球部の子だよ。』



「ゆうき?へぇ~……。あんたさ、オレのこと好きだって言ったでしょ?入学式のとき。

そんでオレ、それを否定したでしょ?その気持ちは恋じゃない。憧れだって』



「でもね、未来、ゆー君のこと、最初に会ったときより、今のが好きになってる。だけど、迷惑はかけないって決めてるの。だから...だからね...」

彼女は目に涙を溜めて話し出した。