無事に入学式も終わり、なぜか上機嫌の先生たちから 『いやぁ~、立派な挨拶だったよ。さすが、柏木雄太だな。はっはっは』 とかなんとか言われているときだった。 『ゆうたせんぱいっ!』 耳に残っている、少し高めの声がオレの名前を呼んだ。 それは、入学式の間中、オレの頭に響いていた声。 振り向くとやっぱり。 入学式前に出会った女の子が焦った表情で立っていた。