月と太陽


「はいこれ、使っていいよ。」

「え、なんなのこれ??」

「ちょっとかして!」

と萌乃は美月から容器を、可那からコートを取り上げた。

「え、ちょっと!!」

萌乃は何の躊躇いもなく容器の内容物をコートの染みにに噴射した。

「何さらに汚してんのよ!!!」

「ちょっと見ててってば。」

そう言うと萌乃はアールグレイの染みをティッシュでポンポンと叩き始めた。


「え…」

ほんの数秒、10秒か15秒ほどか、アールグレイの染みは綺麗になくなり、白いコートは元の姿に戻ったのだ。
まるで深夜の通信販売の、濁った水が瞬時に透明になるアレのようだった。


「え!なに!凄いんですけどこれ!」

「リリが作ったんだよ。水なんだってそれ。」

「え!!これ!もうこれからは漂白剤要らずじゃないの!画期的だわ!これ売ろうよ!」


「それ…」
椅子に座っている美月が背中越しに発言する。