時春の手がそこに触れた時―― 雪兎の中で再び未知の恐怖が頭をもたげだす。 雪兎だって、いくら外見が子供っぽくたってそこでどうするかくらい…知っている。 (どうしよう…きっと、痛い……?) 「……うさ?」 急に固まり段々と青ざめていく雪兎に時春が気遣わしげな声をかける。 ――――瞬間 「………え…?」 「~~~…ぅぇ…」 雪兎の大きな瞳はたちまち潤み…ポロポロと涙がこぼれ落ちた。