潤んだ瞳
熱を含んだ柔らかな頬
震える小さな体――…
「……っ…!!」
時春は雪兎の頬に触れていた手を思わず離し、グッと握りしめた。
「……?」
何も分からない雪兎はきょとんと首をかしげて、こちらを見ている。
「…学校遅れるな…。行こうか、うさ。」
その言葉をしぼりだすので精一杯だった。
雪兎は素直に、うんと頷いてカバンを取りに部屋に向かった。
「………っ。」
――――危なかった。
そして、
――――恐ろしくなった。
雪兎のあの表情を見た時の自分――…
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