「と、言うわけで…、明日からママはロスだから。」



じゃっ!…っと片手をあげて



母は二人に多くの困惑を残し一人颯爽と寝室へと去っていった…。



「「………。」」



残された二人は思わずお互いの顔を見合わせた。



ふたりっきり…?



これからひとつ屋根の下で…



ふっ、ふたりっきり…!?



徐々にはっきりしてきた頭が急激に回転を始める。



ぐるぐるぐるぐる…!



どっ、どっ、どっ、どーしよう…っ!?



(でもこれから一人じゃのたれ死ぬ自信がある…。わたし、自慢じゃないが超不器用…。
お手伝いさんもイヤだし……。)



雪兎はまたも自分の世界にずっぽりハマり、どいしたもんかとテンパっている。



「………。」



時春は一人黙り込み…赤くなったり青くなったりしている雪兎を見ながら









あの不適な微笑みを浮かべ



(…正に棚からぼた餅…。
さぁて、どうしてくれようか……?)







じっと、楽しそうに雪兎の横顔を見つめていた。