「……どうぞ。」
愛想の欠片もない接客なのに、女の子達は嬉しそう…。
時春が離れると、キャー!と頬を染めてはしゃいでいる。
「やだも~!超かっこいい~~!!」
「ほんとに《麗しの孤高の狼様》って感じ~!!」
「あのクールなとこがまたいいよぉ~~っ!」
と、いった具合に時春は大人気だ。
雪兎の中に……なにやらモヤモヤしたものが生まれた。
頬を染めて時春を見つめる女の子達……。
なんだろう…?
ハルが褒められて嬉しいのに……。
胸がなんか……苦しい…ような?
時春が女の子の接客をする度にモヤモヤが増える………。
雪兎は胸に手を当ててなんだろう…?と小首をかしげた。


