「お、おい…


どうしたんだよお前…


『愛しの綾君』に会いに行くんじゃ


なかったのか…


…って、何泣いて…っ!?」




いきなり抱きついた

私に、

オロオロする兄。




「…だ、だって~

あ…っやくっ…んがぁぁぁ~~」




なぜか、

一気に涙腺が壊れた私は

あたかも月哉に泣かされているかのように

泣きだした。




「…って、おいおいおい!

俺が泣かしてるみてぇじゃねえかよ!


てか、ほら。

おれはおまえのつくったクッキーだか

ジンジャーだか知らねえけど、

これが机にあったから届けに来ただけで…


…おいっ!

くっつくな!離れろっ!」





ピンクの包装紙で可愛くつつまれている

綾君へのプレゼントである

ジンジャークッキーを

おそるおそる←なぜ?(笑)

私に差し出す月哉。