「全ての原因は、私だから…」


「由奈…?」


みんなが、息を飲んだのが分かる。


「佑斗。私、佑斗を守りたい。みんなを守りたい。ずっと、ずっと、私を守ってくれて、ありがとう」


みんなに背を向けると、少しずつ海の方へ歩いた。


「止めるんだ!」


智久の必死の声も聞こえる。


「若姐さん!止めてください!」


私は、もう一度だけ振り向いた。


「晴彦、ありがとう。みんなもありがとう。そして、佑斗。大好き。あなたを守りたい」


ごめんね。


こんな方法で。


でもね、私がいなくなれば、こんな争いも起きないんだよ。


だから、バイバイ。


私は、夜の海に身を投げた。


「由奈~!やめろ~!」

最後に聞こえたのは、佑斗の声だった。