私がそう言うと、智久はバカにしたように笑った。


「アハハ。それ、佑斗から仕込まれたの?あいつらしいな」


やっぱり、よく知ってるみたいだ。


「じゃあね、一つだけ教えてあげる。オレと佑斗は、一番の敵同士なんだ」


「え?」


じゃあ、この人もヤクザ?


その時だった。


「お前たち、何やってるんだ!」


先生の注意を受けて、智久は行ってしまった。


「敵…同士…」


だから、近付くなと言ったんだ。


でも、何で、私の事まで知ってたんだろう。


婚約を知ってる?


でも、この事は誰にも言っていないのに…。


そうだ。


実家に帰って聞いてみよう。


お父さんなら、知ってるはず…。