「おい、由奈、何やってんの?」


ルームウェアに着替えて出てきた佑斗に見つかり、私はドキッとした。


「…帰るの」


「は?何で?」


佑斗は険しい表情をしている。


何でって、分からないの?


あなたが嫌だからよ。


「この婚約は破棄させてもらう。何もかもメチャクチャじゃない。私の気持ちも考えないで…」


言いながら、また泣けてきた。


「泣いてるのか?」


佑斗は、荷物を詰めていた私の腕を掴み、顔を覗き込んだ。