「流行りなど、関係ないだろ」


父は、表情一つ変えず、湯呑みに入ったお茶をすすり、それから私を見る。


「お前の婚約者は、武地 佑斗(たけち ゆうと)くんといって、二歳年上だ」


「はあ…」


どうしてこうも、顔色一つ変えずに、淡々と喋れるのだろう。


普通、男親というのは、娘を早く嫁に出そうなどとは、あまり考えないんじゃない!?。


そんな考えを巡らしていると、父の威厳を前に抵抗する気を失った。