「そうだ。ここに居ても退屈だろう。佑斗、家を案内してやれ」


佑斗のお父さんの言葉に、当の本人はかなり面倒臭さそうな顔をした。


「めんどくせぇ。分かったよ」


そう言って、渋々立つと、佑斗は私を見た。


栗色の髪が、無造作にアレンジしてある。


それなのに、服装は紋付袴で、そのギャップに思わず見とれてしまった。