「だったら…。美紅さんと結婚しなさいよ!!私には理解出来ない!姐さんなんて、私には無理!」


息が切れるほど、まくし立てた私を見て、佑斗はため息をついた。


「出たよ。お前のそのお得意フレーズ」


佑斗の言い方には、どこかトゲがある様に感じる。


「何かって言うと、“婚約破棄する“だの、“出て行く“だの、責任の無い事ばっか」


あながち間違っていないだけに、反論が出来ない。


「ホント、失敗だったかもな。この婚約」


そう言われ、涙が出てきた。


「何よ…。私は、佑斗の為なら、命を捨ててもいいと思ったのに…」


だから、あの日海に飛び込んだのに。


「ひどい!」


私はそう言うと、部屋を飛び出した。