「見てたのか…」


そう言いながら、佑斗は私から離れて、ソファーの方へ座った。


「何で?何であんな事をするの?」


私が言い寄ると、佑斗はお得意の、“ウンザリ“した表情を見せた。


「美紅の家はね、どうしても敵に回せないの」


「それで?これから先も、ずっと同じ事をするんだ?」


これがヤキモチだって、自分でも分かってる。


普通の感覚が通用しない世界だという事も、分かってる。


それでも、自分の気持ちをぶつけずにはいられなかった。


「しょうがないだろ!元々、美紅と婚約話しもあったくらいなんだよ」


面倒臭そうに言う佑斗を見て、私の中で何かが切れた。