私をなだめるように、佑斗は私を抱き寄せる。


「由奈、機嫌直せよ」


そう言って、佑斗がキスをしようとした瞬間、いたたまれなくなり、顔をそむけた。


そんな私を見て、佑斗の表情は険しくなる。


「何?お前、さっきから」


何よ。自分の事は棚に上げて・・・。


思い出せば思い出すほど、どんどんと怒りが込み上げてくる。


「佑斗はいつだってそう!私が思い通りにならないと、そうやってすぐ怒る!」


感情任せに、佑斗に当り散らしてしまった。


「どうしたんだよ?何イライラしてんの?」


「嫌なの・・・。佑斗とキスしたくない」


思わず、涙がこぼれた。