「美紅さんて人、佑斗の事が好きみたいじゃない。佑斗はどうだったんだろ･･･」


さっきは、私を脅すような事を言っていたのに、美紅さんに対しては笑顔を振りまいてるじゃない。


その事が、無性に腹が立った。


「若旦那は、結婚相手は自分で決めれないって分かってましたから、誰でも良かったみたいですけどね」


「えっ？誰でも？」


聞き捨てならないセリフに、私は過剰に反応した。


「い、いや、若姐さんの事は違います。初対面から少しも臆さない人だったんで、‘‘骨のある女だ‘‘って、若旦那かなり気に入ってましたから」


まあ、別にいいけど･･･。


私も最初は嫌だったんだし。


しばらくして、佑斗と美紅さんは、少し歩くと立ち止まった。


そして腕を離すと、美紅さんが佑斗を見つめる。


「ねえ、佑斗。本当に今のフィアンセと結婚するの？私じゃダメ？」


そう言いながら、美紅さんは佑斗の首に手を回すと、唇にキスをしたのだった！？