通された部屋は、玄関から近く、和風の畳の部屋だった。


パッと見た感じでは、家の中は、まるで迷路。


廊下には、壺がたくさん置かれているし、この部屋にも掛け軸などの調度品がある。


相当なお金持ちなんだ…。


そんな事を考えていると、


「最近、組の方はどうなんだ?」


父が、佑斗のお父さんに、当たり前のように話しかけた。


組…?


町内会か何か?


「まあ、いろいろあってな。だけど、由奈ちゃんを怖い目には遭わせないからな」


佑斗のお父さんは、にこやかに笑いながら私を見た。