「佑斗は、絶対に二重人格よ」


晴彦は、怒りで震える私を見ながら、気まずそうに小さくなっている。


いつものお決まりで、私の監視を命じられた晴彦は、私と一緒に部屋に居るのだった。


「で、でも、若旦那は、若姐さんが意識ない間、飲まず食わずで側にいたんスよ…」


怖ず怖ずと私に言う晴彦を、キッと睨んだ。


そんな私を見て、さらに晴彦は小さくなる。


「その事は、本当に感謝してる。でも、元気になった途端、これよ?」


あれはダメ、オレの言う事を聞け、そんな事ばっかり!!


「ねえ、せめて中庭に出たいんだけど。こう、部屋に篭りっきりだと、息が詰まる」