「いいじゃない。私も顔を出したって!そもそも、私を見に来てるんでしょ?」


「お前は、何度言ったら分かるんだよ!ダメだって、言ってんだろ?」


実は、一つの組を解散に追い込んだ佑斗は、こちらではかなりの脅威らしく、小さい組などは佑斗のご機嫌を取る為に、“お見舞い“と称して、顔を出しに来ているのだった。


「だいたいな、お前じゃないの。オレに会いに来てるんだよ」


面倒臭そうにそう言うと、佑斗は濃いパープルのシャツに、黒スーツを着て、部屋を出て行こうとした。


「ちょっと待ってよ!」

思わず掴んだ私の手を、思い切り振りほどく。


何度、同じ目に遭った事か…。


「いいか、由奈。ここでは、オレが言った事は絶対なんだ。言うこと聞かないと、いくらお前でも許さねえからな」


まるで脅すようにそう言うと、足早に部屋を出て行った。