「…風強い。」

俺は屋上の貯水タンクの陰に座る。
煙草に火をつけ、蒼い空に煙を吐き出した。

ただ、ただ。無心に。
流れる雲を眺めてた。

キーンコーンカーンコーン

「もう授業始まったのか。」

教室には戻らない。
別に授業は受けなくても平気だしな。

「暇、つか平和。か…」

ガチャ

扉が開く音がして、そっちを見れば俺の相棒。

「あ、いた。」
「お前、その格好…」

Tシャツにハーフパンツ…。
色が濃くなってる制服を持って俺のところへ来る。

「制服、乾かしにきた。」

前から何回かこんなことはあった。
別に口出す気は無い。

俺のことでこうなってんのはわかってる。
でも、こいつが何か言ってくるまでは動く気は無い。

「っしょっと…」

タンクに上手く引っ掛けたらしい制服か強い風に靡いてる。
よく飛ばないな…。