ねぇ……。 ふわっ……と、風が吹いた。 さわさわ……と、木から音がした。 さらさら……と、草がゆれた。 あれ、ここは? 野原? 緑の絨毯。一面の草はそんな感じ。 空の青さと大きさに、あたしは息を呑む。 いつのまにか、しげるくんも立ち止まってた。 「しげるくん……?」 あたしは静かに、そっと、呼びかけた。 しげるくんは、泣いてた。 声も出さずに。 「ねぇ……」