ふいに、おねえちゃんに話しかける人が来た。

 おねえちゃんの知り合い?

 ちらっと見た時。

「あ、ママ!」

 かわいい女の子の声。この声は。

「お迎え来たよ~、美雪」

 そう、みゆきちゃん!あたしの友達!……数少ない内の1人。

 よく見れば見覚えのある人だ。この人、みゆきちゃんのお母さんだ。

「あれ~、こっちゃんまだお着替えしてないの?おねえちゃん待ってるよ~?一緒に着替えよ?」

 みゆきちゃんはとってもほんわかしてる女の子。年長初日は違うクラスかと思ったけど、おんなじ梅組だった。

 そして、チューリップ組!

「ホント仲良しですね~」

「梅組でもいつも一緒にいるって連絡帳に書いてあったよ」

 あたし達がよく一緒にいるから、いつの間にかおねえちゃんとみゆきちゃんのお母さんも仲良くなってた。

「で、どうかしたの?」

「実は、遠足連れて行けなくなっちゃって……」

 もうその話はいい!!

「え、じゃあこっちゃん1人?」

「って訳にもいけないし。また宮本一家のお世話になるか……」

 ちなみに「宮本一家」って、さっちゃんちの事だよ。